01、九月十日 【菅原道真】

去年今夜侍清涼
秋思詩篇独断腸
恩賜御衣今在此
捧持毎日拝余香

【詩の解説】

去年の今夜は、重陽後の宴の時、「秋思」と云う勅題を賜り、作った詩は帝から大そうお気に召されお褒めを頂いた。
しかしその後急変、身は落偲となったは堪え難き悲しみである。
ただあの時ご褒美に頂いた帝の御衣は今も、毎日捧げ持って移り香を懐かしんでいる。