04、題不識庵撃機山図 【頼 山陽】

鞭声粛粛夜過河
暁見千兵擁大牙
遺恨十年磨一剣
流星光底逸長蛇

【詩の解説】

馬にあてる鞭の音も忍びやかに、上杉謙信の軍勢は夜陰に乗じて千曲川を渡る、夜が明けて見るとすでに数千の大軍が、大将旗を押し立てて武田勢の前に陣取っている。
謙信にとって、かすがえすも残念なのは、十年に亘る長い間鍛錬し、武を磨いて来たにもかかわらず、一瞬のことで信玄を撃ち漏らしたことだ。

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